イベント準備は忙しいわ、ネット販売の用意は追いついかないわ(orz)とグダグダ続きなのですが、「このままだとお蔵入りしてしまいそう…!」という危機感にかられブログ記事を先行公開いたします〜。

 

(2018.6.28追記:WebSHOPで販売開始しました! コットンレース糸シルクレース糸

 

 

 

手染めレース糸各種、今週末(6/8〜10)の「素材博覧会 KOBE2018」にも持参いたしますが、鎌倉御成通りの「葉っぱ小屋」さんにも置いていただいてます。

現在手元にある色は全て並べさせていただいてます。こちらも数量は限定なのでお早めに♪

 

 

気の向くままに野生の勘で染めているため、それぞれが一点もののメリノシュロプシャーの120g巻き。

 

「素材」ですので煮るなり焼くなりお好きにどうぞー! なのですが、紡いだ時の色の出し方についていくつかご案内いたします。

 

 

ひつじやの120g巻きから紡ぐ糸、トップ(スライバ―)の裂き方、幅、紡ぐ順番によってどんどん表情が変わります。

 

 

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まずは 【1】縦方向にそのまま紡ぐ 。

 

色の移り変わりが(細く裂いたときよりも)ゆっくりになります。

ただし、元の繊維の束が太い分、色ズレもおきやすい。(画像で言うと、赤がまだ手元に残っているのに紫が出始めちゃったり)

 

幅広のトップから紡ぐ場合には、事前にロービング(粗紡)を作っておくと紡ぐとき楽です。

 

繊維同士が離れるよう横方向によくほぐし、縦方向に手であらかた引き伸ばしたあと、DIZを使うと揃えやすい、ような気がします。(正直、元のトップが太いとロービングつくるのもひと手間ではあります。……まあ紡ぐ段階で苦労するか、紡ぐ前に苦労しておくか、の二択ですかねえ…)

 

(ひつじやオリジナルDIZ:イベント販売のみ)

 

 

出来上がった単糸を双糸にするときも何パターンかあります。

 

【1-1】別色(単色:白や黒、茶など)の単糸と撚り合わせて、色がゆったりと切り替わるムク糸にする。

(左から赤ピンク系の淡い色+白、淡いマルチカラー+薄グレー、ビビッドマルチカラー+白。一番右のビビッド+白は白単糸が細めのためカラーが強く出てしまいました。これが同じ太さや白が太くなると、また印象が変わります)

 

【1-2】別色(多色)の単糸と撚り合わせてみる

(左はまったく色目の違う単糸を撚り合わせ、右は差し色はあるものの同系色で撚り合わせ)

 

【1-3】2本どり双糸ではなく、単糸を3本撚りのナバホプライ(ナバホ撚り:1本の単糸を大きな鎖編みをしながら撚り合わせる)にする方法もあります。その場合単糸1本を撚り合わせるので、ムク糸よりも色の変化がはっきりと見えるかと思います。ただ3本撚りのため2本撚りよりも太くなるので、最初に紡ぐときの太さに注意。

 

 

 

次に 【2】縦方向に2分割して紡ぐ 方法。

 

【2-1】同じ方向に紡ぐ ケースと、

 

【2-2】2番目は逆方向から紡ぐ ケースがあります。

 

 

【2-1】の場合は【1】と同様に撚り合わせで変化が生じます。

【2-2】の場合、紡ぎ終わった単糸をいったん玉巻きし、両端(紡ぎはじめと紡ぎ終わり)を揃えて2本撚り合わせにすることができます。こうすると最初のスライバ―(トップ)の色の遷移そのままの双糸が出来上がります。(ただ、これを成立させるためには正確に2分割し、かつ双方が同じ長さに紡げていなければならないので、なかなかに難しいのですが…)

 

 

 

上記写真は120g巻きのサンプルとして作成した、三日月(猫の爪)形ショールとその両端です(あえて晒します・笑)

【2-2】の方法で単糸を紡ぎ、はじめとおわりを揃えて2本撚り双糸にしました。

 

右の写真の上は撚り合わせスタートの部分、下は折り返し(撚り合わせ終わり)の部分です。スタート時は色が揃っているのではっきりした色ですが、折り返し部分は揃わなかったため曖昧な色になっています。

 

このサンプル(ショール)はイベント参加時に「メリノ120g使用例」として持参していますので、どうぞ機会がありましたら実物をご覧ください。(出店予定イベントはひつじやトップページ http://www.hitsuji-ya.com に掲載しております)※持参していない場合もあります。

 

 

 

 

【3】色をコロコロと切り替えたい場合。

 

縦方向に細く細く裂き、紡ぐ。この時もすべて同じ方向に色を出す、また交互に向きを変えるなどバリエーションは豊富です。

 

 

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これはあくまで「羊毛」で「1本のトップ」から「同じ太さ」に紡ぐ、に限定した話なので、更に「細く裂いて白(黒や茶でも)とカラーを交互に紡ぎ、更に白と撚り合わせてところどころムク糸になるようにする」とか「撚り合わせに真綿から紡いだ絹紡糸を使う」とか「ノットヤーンでこぶを作る」とか「スラブに紡いで細い糸に絡める」とか、バリエーションは本当に本当に様々です。

糸紡ぎの可能性は無限大!

 

 

…こうやって文字にすると、糸作るとこから始めるということが「本当に際限ねえ世界…(遠い目)」と思い知らされます。

 

が、これこそが「糸作りからのモノづくり」の面白さかな、とも思います。

この楽しさを知っちゃうと、市販の糸ではちょおっと物足りなくなっちゃうんですよねえええ。

 

 

 

まあまあまあ楽しいから一回やってみそ♪ と羊沼にハマったっきり抜け出る気がない人間は軽く言ってみますハイ。

 

 

本日「染め真綿」各色をアップしました。

ひつじやでは国産の「近江真綿」をご用意しております。

 

真綿というのも、これがまたなかなかに面白い&応用範囲の広い素材の一つです。

固まっているフチをほぐしてから繊維を引き出し、紡毛機で撚りをかけて糸を紡ぐこともできます。(なんたって繊維が繋がっているので、糸に紡ぐのは簡単です。両手を使うので、スピンドルではちょっと難しいですが…)

 

また石鹸水フェルトのベース(下地)に使うこともできます。真綿をネット状に広げることでウールを下支えし、ウールを薄くしても崩れにくい(抜けにくい)のです。

 

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今回石鹸水フェルト使用時の参考に、と「染め真綿とメリノで薄手マフラー」のサンプルを作ってみました。

超超ざっくりした説明ですが、作品作りのヒントになれば幸いです。

 

 

 

真綿に限らずシルクはとても暖かい素材です。なので、ウールが極限まで薄いのにとても暖か&肌あたりも抜群。(手指が荒れてると繊維がひっかかりますが…)

軽やかで爽やかな色を選ぶと春先に巻いていても違和感なし。

青系統の色を使ってもっと幅広くすると、夏の冷房除けにもいい感じです。

 

【用意したもの】

型紙は30cmx180cmでしたが、出来上がりは15~22cmx140cmになりました。

 

【ざっくりした手順】

  1. 真綿を薄く剥いで必要な枚数に分ける(今回は3gを6枚に分割)
  2. フチをよくほぐして、ビニールシートの上に1枚30cmx30cmくらいに広げる
  3. 2.を繰り返して6枚を一列に並べる(隣り合った真綿はほんの少し重ねる)
  4. 真綿の上にメリノ60sを薄く薄くのせる(30cm四方の真綿1枚に対してメリノ3g弱)
  5. フェルト化させる

 

【注意点】

・真綿は力を入れて引っ張ると割とどこまでも広がります。

が、広げ過ぎると羊毛を支える下地としての役割がアヤしくなるので、私は25cm四方→30cm四方くらいにしました。もう少し広げても良かったかな、と思っています。まあ、この辺りはお好みで。

均一には広がらない(どうしても厚い薄いが生じる)ので、偏りをなくしたり、逆に偏りを作って真綿の色を濃く出したり、加減してみてください。

広げる作業は一人ではなかなか難しいかもしれません。もしどうしても人手がない場合はビニールシートの下に段ボールを敷いておいて、一辺を広げたら両端二か所を画鋲でとめる→残り三辺を広げる、という方法が良いかもしれません。

 

・羊毛は極限まで薄く、と思って、今回は2層(縦1回横1回)にしました。

置き始めの最初あたりは良かったのですが、途中から羊毛の置き方が粗くなったよう(集中力がログアウトした…)で穴が開いてしまいました。

 

ただ、全面がこういう感じであるならそれはそれでいい感じでは、とも思う(ポジティブシンキング!)ので、これもまたお好みで。最初から穴あり想定の場合は、もっと羊毛を減らしてもいけそうだな、と思います。

 

・手荒れしていると真綿も羊毛もひっかかります。作業前にはハンドクリーム等をよくすり込んでピカピカつるりにしておきましょう。

 

・今回「良い部分も悪い部分も全部晒す」ということで、端っこはあまり処理しませんでした。

はみ出していた羊毛がこすっているうちに内側外側に巻き上がり、厚くなっています。下の写真だとオリーブ色の下あたりが羊毛がまくれあがってダマになってしまってますね。

本格的にフェルト化させる前に、端っこのはみ出た(余計な)羊毛を切り落とす等すると比較的輪郭が綺麗に仕上がると思います。

 

・フチをフリル状にする場合はマフラーの中心は伸ばさず、フチだけを伸ばし気味にぎゅうっとアイロンかけると可愛いく波打ちます。

今回はできるだけ平滑にしたかったので、仕上げのアイロン時に上下左右かなり力を入れて引っ張って、全体を伸ばしています。

 

 

【こういうコトもできるかもですよ】

・2層で重ねるウール、一層目と二層目で色を変えてみる

・未染色真綿+染めメリノで重ねてみる

・真綿と羊毛の色を同じ系統にまとめる

・あえて真綿と羊毛は別の色にする
・両面真綿にして、ウールをサンドしてみる

・真綿を正方形ではなく長方形にして幅広ストライプっぽくしてみる

・真綿の色を全然系統違う色にしてみる

等々…

 

可能性はまだまだまだまだいくらでもありますね。奥深さが恐ろしいですが…

ぜひお試しください♪(そしてチャレンジしてみたら、ぜひぜひ私に写真と感想をください・笑)

 

イベントでの人気者「手染めウールネップ」。

 

 

 

 

色のバリエーションも豊富でお手頃価格、ということで多くの方にご好評頂いているコヤツですが、同時によく聞かれるのは

 

「…これはナニ? どう使うもの?」

 

………そーですよねー! 正体不明ですよねー!

 

 

 

 

ということで、改めて代表的な使い方をご案内いたします。

 

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■レジンに沈める 

 

 

もとがほわほわの羊毛ですから、くっきりとはしておらず、ぼんやりと滲むようなラインになります。

 

【拡大】

 

私もレジンは遊びでしかやったことがないので、あまり有用なアドバイスはできないのですが…。

・濡れるので一段階色が濃くなります。

・空気を含んでいるので、気泡が付きやすいです。(写真を見ると一目瞭然…)

 

粒ごとに色が違うのをみっちり敷き詰めたりすると、また不思議な雰囲気が出るかもしれません。

(誰か作って! そして私に見せて!)(他力本願)

 

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■石鹸水フェルトのとき、模様として使う 

 

 

置き方としては2パターン考えられます。

まずは羊毛の「下」にネップを置いてからフェルト化する方法。(上記写真はこの方法)

利点としては直接手がネップに触れないので、ずれない。しっかりフェルト化させることができる。

デメリットは作業中見えないので、正しく配置できたかどうかは見てからのお楽しみになる、でしょうか。

 

 

逆に、羊毛の「上」にネップを置く方法。

 

……実は、私はこの方法はあまりおススメしておりません。

 

作業する方の「上手下手」もありますが、下手な私がやると「ずれます」。

羊毛にネップがしっかりくっつく以前に、手にネップの凹凸があたって移動してしまうみたいです。

 

ずれないようにするコツってあるのかなあ?? 要研究です。

 

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■ニードルフェルトで模様に使う 

 

ちょこっと注意が必要です。

 

ニードルフェルトはふわふわの繊維を針の返しにひっかけてベースへと絡み留めていきます。(ニードルの仕組みについての参考記事:ひつじやブログ「ふとん綿はニードルフェルトの材料として使えるの?」

 

なので、ネップの中でもフェルト化の甘い、ふわふわ繊維がいっぱい出ている粒を選んでください。

きっちりフェルト化が進んでいる粒は繊維に遊びがないので、いくら突いてもベースに絡み(固着)ません。

 

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■羊毛に混ぜて紡ぐ 

 

 

わりと王道の使い方かと思いきや、これもまた注意が必要です。

 

羊毛や綿は、細くきりっと紡ぐと取り切れなかったゴミ(草や種の欠片など)がピンっと弾け飛ばされることがあります。

これはネップにも適用されてしまいます。

 

なのでネップヤーンを紡ぐときは、

・よくよくよ〜く混ぜ込んで、ベースの羊毛に馴染ませる

・あまり細く、きりっと紡がない

 

また出来上がったネップ入り単糸を別糸で押さえるのも手かと。

 

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■ミシン糸等で縫い留める 

 

 

 

この方法だと粒が潰れません。ベースの上にぽつぽつと凸凹をキープした状態で、自分の狙ったところに狙った粒が置けます。

若干糸切れや粒の崩壊など耐久性に不安がありますが、今のところは問題なく使えております。

 

写真では白いミシン糸を使い、見えないように縫い留めています。

透明なミシン糸を使ったり、光沢の美しい釜糸(日本刺繍用の絹糸)や金糸銀糸などで糸を見せるように留めても良いアクセントになりそうです。

 

 

 

上記はあくまで参考例、どのようにして使っていただいても大丈夫です!

土台に接着剤を塗りこめておき、植毛するようにネップを植え込む、というお客様もいらっしゃいました。

 

ぜひぜひ色んな使い方を発見してみてください♪

(そして私に教えてください・笑)

 

 

むか〜しむかしのそのまた昔、スピンドルといえば木製の、円盤が下にあるドロップスピンドルもしくはサポートスピンドル(それぞれInstagramが開きます)くらいしか見当たりませんでした。(当時の私に英語のソースにあたる、という知恵がなかったせいもあります)

 

今はロシアンスピンドルスコティッシュスピンドルターキッシュスピンドル(それぞれInstagramが開きます)、精緻な木彫を施したものやレーザー彫刻が施されたもの、樹脂にドライフラワーやビーズを閉じ込めたもの、3Dプリンタで出力しているもの等々、世界各地で独自の進化を遂げた、様々なスタイルのスピンドルが、SNSの発達に伴ってどんどん日本デビューを果たしています。

 

前回のメリノの話、羊クラスタ外のみならずクラスタ内の方々の反応もよくて、ちょっとにんまりしております。

 

…てか、私より書けるネタ多いでしょ皆さん!

書け! 書くのだ! そして羊沼の奥深さを世に知らしめるのじゃよ!

 

 

わたしができるのは「手紡ぎ用の羊毛」の中でも、更にごくごく狭い世界でのお話です。

(基本日本国内及び英国と豪州NZあたりの話がメインで、手紡ぎと牧羊が盛んなアメリカやそのほかの欧州までフォローできてません)

 

アメリカや欧州の羊事情手紡ぎ事情、工業用羊毛や食肉については「うっすら伝え聞いたことがあるようなないような…」程度ですので、ぜひそのあたりはその道のプロが口を開いてくださるのをお待ちしております✨

知らない世界の話は面白いよねー

 

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さてさて、続いてシュロプシャーです。

シュロプシャー Shropshire

 

……イラストではありますが、もう明らかにメリノとは別種だとわかりますね。

 

ずんぐりむっくりな体形、お顔にもかかるもしゃもしゃな毛。

英国原産で、ダウン種というジャンルに分けられる羊です。

 

ひつじやでは現在

・メリノ 20g120g

・コリデール 20g(在庫限りで終了)

・シュロプシャー 120g

という3品種の羊毛を取り扱っています。

 

 

慣れている人(羊クラスタ)には割とお馴染みの品種ですが、慣れない方には「どう違うの? どう使い分けるの?」とご不明なことも多いかもしれません。

 

そんな「手づくりは好きだけど、羊にはまだそんなに詳しくないわ」、という皆さまを「底なしで楽しい羊沼に引きずり込む」べく、「羊」の品種について2,3回に分けてお話しようと思います。

 

 

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羊の家畜化はまず中近東あたり(メソポタミア)ではじまり、人々やモノの移動により広まっていったようです。

Wikipediaの「ヒツジ」に、起源や歴史が詳しく記載されております。ぜひそちらもご一読ください。

 

 

羊クラスタの諸先輩方にはもう「知ってる知ってる〜」なネタではありますが、

今回はメリノ種について…

 

メリノ Merino

 

私が紡ぎを始めたころと比べて、今は様々なメーカーさんの紡ぎ車が出回っております。

選択肢が少なくても悩むとゆーのに、メーカーまで増えてこの上どうしろと! と逆ギレをかましたくなってしまいますね。

 

私も最初の1台を購入するとき、ものすごく悩みました。

欲しい情報がなかなか手に入らず(英語の文献にあたる、というアタマがなかったせいもあります…)、数年悩んで悩んで初代を購入した記憶があります。

 

 

ちょっくら長いので畳みます↓

 

 


 

イベント会場等で手紡ぎについてご質問をうけることがあるのですが、

「この糸は正しく紡げていますか?」

と聞かれるとものすごく困ってしまいます。

 

 

 

手紡ぎや手織り、手編み等には「効率のよいやり方」や「仕上がりが美しいやり方」はあっても、「正しいやり方」はない、と私は思っています。

もし基準があるとしたら、「作りたいものに向いた糸になっているかどうか」ではないでしょうか。

 

ふわふわの柔らかなマフラーを編みたいのならきりきりに撚りの多い細い糸は「向いていない」ですし、パリッとしたハリのある服地を織りたいのなら甘撚りの太い毛糸は「向いていない」。

 

ただ、その糸が「向いていない」からといって、それが即ち「正しくない糸」「悪い糸」では決してなくて、そこでその糸に向いた手法や作品を考える余地がある、考えられるということが「手仕事」であろう、と思うのです。

 

 

。o○。o○゚・*:.。. .。.:*・゜○o。○o。゚・*:.。. .。.:*・゜。o○。o○゚・*:.。.

 

 

わたし、イベントで手紡ぎをお教えした方には「いいじゃないですかー! 繋がってりゃあ糸ですよ!(ちょーおおざっぱ)」とよく言っています。

もちろんスピンドルを初めて触ったという方が大半ですから、太さも撚りもバラバラです。

つか、初心者にいきなりキレイで均一な糸を紡がれたら、わたくしの立つ瀬がございません・笑

 

 

最初に紡いだ糸は「あなたの理想の毛糸」ではないかもしれませんが、「悪い糸」ではありません。

 

 

自分の手で生み出した毛糸を前に「これで何を作ろうかな〜♪」と考えることもまた楽しいものです。

(逆に言うと、そこを楽しめない方にはおそらく手紡ぎは向いてないんじゃないかなーと思います。はっきり理想の糸が見えているのなら、世に数多ある市販の糸の山から探したほうがストレス少ないです、きっと)

 

 

 

 

。o○。o○゚・*:.。. .。.:*・゜○o。○o。゚・*:.。. .。.:*・゜。o○。o○゚・*:.。.

 

 

もし「こういう糸を紡ぎたい!」と思う理想の形が見えているのなら、正直なところ「練習あるのみ」です。

 

 

ちなみに私の場合ですと、手紡ぎをし始めてから

 「太い凸凹の糸がどうにかつながるようになる」

   →(練習する)→

 「キレイな均一の糸が紡げるようになる(嬉しい!)」

   →(紡ぎ続ける)→

 「キレイな均一な糸しか紡げないことに気づく(味のある面白い糸が紡げない)」

   →(むきー!)

という過程を経ました。

 

そういうときは紡ぐ素材を変えてしまうのも手です。

 

 

私はウール以外のコットン、カシミア、アルパカ、ヘンプやラミーを紡いでみました。

ウールとは勝手が違うので最初は苦労するのですが、続けていくと大体コツがつかめるようになり、なんとな〜くいい感じに紡げるようになります。

そこからウールへ戻るとアラ不思議、ウールとはこんなに紡ぎやすい素材だったのかと思うほど、さくさく紡げるようになっておりました。

 

 

行き詰ったときには、異素材にチャレンジしてみるのもお勧めです。

 

 

 

 

ご質問をいただきました。

 

「ふとん綿はニードルフェルトの材料として使えるの?」

 

 

 

ふむふむ。

では、まずは原理を確認しましょう。

 

ネット検索するとニードルフェルトの原理として「キューティクル云々」と書いているページもあるのですが、正直ニードルフェルトにキューティクルは関係ないだろうと思います。(キューティクルを繊維と同義にしているような表記もありました。こうして誤解曲解ががが)(キューティクルが関係してくるのは石鹸水フェルトですね)

 

ニードルフェルトというのは、特殊な針を繊維の束に突っ込む→針の先に刻んである「かえし」にごく少量の繊維がひっかかり、他の繊維と繊維の間に絡ませて(潜り込ませて)いく→突いて絡ませ続けた結果、繊維の束が固まる、という手法です。

 

なので、ポイントは「その繊維はかえしにひっかかる太さか」「潜り込ませたときに、他の繊維に絡まってとれないくらいの長さがあるか」です。

 

綿の繊維は羊毛と比べて細くて短いです。

かえしには引っかかりますが、繊維長が短いので他の繊維の間に潜り込んでもすぐに引き抜ける、はずです。

 

 

 

理屈ではわかっていても、とりあえずは実践(実験)も必要です。

 

 

太いニードル:そもそもふとん綿に刺さりません…。(正直これは想定外)

綿の繊維は羊毛と比べて短い&細い。そのためカード済の綿シートは羊毛シートに比べて「密度が高い」のです。

太い縫い針を例にすると、目の粗い生地には刺す(通す)ことができますが、目の詰まった生地には通らない、これと同じことですね。

 

 

細いニードル:羊毛ほどさっくりとはいかないものの刺さりますし、突くことで繊維は多少絡み合います。

 

が、羊毛と比べて綿は繊維長が短いので簡単にはがせます。絡み(潜り込み)が浅いのです。

ひたすらに突き続ければ層がはがれないくらいまで一体化はさせられるでしょうが、他の部分も綿である限りは所詮繊維長1cm弱、手で千切れます。

 

 

 


 

上下の層の間に渡って(縦方向に引き攣れて)いるのが、「かえし」にひっかかって下へもぐりこんだ繊維です。

綿の繊維は1cmないので、簡単にはがせます。(ちなみに羊毛は繊維長5〜7cmくらいあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

結論:

どうしてもコットンでやりたい!という強い意志があるなら無理に引き止めるつもりはありませんが、正直その労力は別な部分へ振り分けた方が建設的だと思います。

 

 

 

備考:

100均で売っている化繊綿を芯に使う方もいらっしゃるみたいですね。

羊毛と同じくらいの太さ長さの繊維であれば、ニードルフェルトの材料にはなるだろう、と思います。(石鹸水フェルトは無理ですが)

 

 

どなたかの参考にでもなれば幸いです。

 


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