私が紡ぎを始めたころと比べて、今は様々なメーカーさんの紡ぎ車が出回っております。

選択肢が少なくても悩むとゆーのに、メーカーまで増えてこの上どうしろと! と逆ギレをかましたくなってしまいますね。

 

私も最初の1台を購入するとき、ものすごく悩みました。

欲しい情報がなかなか手に入らず(英語の文献にあたる、というアタマがなかったせいもあります…)、数年悩んで悩んで初代を購入した記憶があります。

 

 

ちょっくら長いので畳みます↓

 

 


 

イベント会場等で手紡ぎについてご質問をうけることがあるのですが、

「この糸は正しく紡げていますか?」

と聞かれるとものすごく困ってしまいます。

 

 

 

手紡ぎや手織り、手編み等には「効率のよいやり方」や「仕上がりが美しいやり方」はあっても、「正しいやり方」はない、と私は思っています。

もし基準があるとしたら、「作りたいものに向いた糸になっているかどうか」ではないでしょうか。

 

ふわふわの柔らかなマフラーを編みたいのならきりきりに撚りの多い細い糸は「向いていない」ですし、パリッとしたハリのある服地を織りたいのなら甘撚りの太い毛糸は「向いていない」。

 

ただ、その糸が「向いていない」からといって、それが即ち「正しくない糸」「悪い糸」では決してなくて、そこでその糸に向いた手法や作品を考える余地がある、考えられるということが「手仕事」であろう、と思うのです。

 

 

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わたし、イベントで手紡ぎをお教えした方には「いいじゃないですかー! 繋がってりゃあ糸ですよ!(ちょーおおざっぱ)」とよく言っています。

もちろんスピンドルを初めて触ったという方が大半ですから、太さも撚りもバラバラです。

つか、初心者にいきなりキレイで均一な糸を紡がれたら、わたくしの立つ瀬がございません・笑

 

 

最初に紡いだ糸は「あなたの理想の毛糸」ではないかもしれませんが、「悪い糸」ではありません。

 

 

自分の手で生み出した毛糸を前に「これで何を作ろうかな〜♪」と考えることもまた楽しいものです。

(逆に言うと、そこを楽しめない方にはおそらく手紡ぎは向いてないんじゃないかなーと思います。はっきり理想の糸が見えているのなら、世に数多ある市販の糸の山から探したほうがストレス少ないです、きっと)

 

 

 

 

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もし「こういう糸を紡ぎたい!」と思う理想の形が見えているのなら、正直なところ「練習あるのみ」です。

 

 

ちなみに私の場合ですと、手紡ぎをし始めてから

 「太い凸凹の糸がどうにかつながるようになる」

   →(練習する)→

 「キレイな均一の糸が紡げるようになる(嬉しい!)」

   →(紡ぎ続ける)→

 「キレイな均一な糸しか紡げないことに気づく(味のある面白い糸が紡げない)」

   →(むきー!)

という過程を経ました。

 

そういうときは紡ぐ素材を変えてしまうのも手です。

 

 

私はウール以外のコットン、カシミア、アルパカ、ヘンプやラミーを紡いでみました。

ウールとは勝手が違うので最初は苦労するのですが、続けていくと大体コツがつかめるようになり、なんとな〜くいい感じに紡げるようになります。

そこからウールへ戻るとアラ不思議、ウールとはこんなに紡ぎやすい素材だったのかと思うほど、さくさく紡げるようになっておりました。

 

 

行き詰ったときには、異素材にチャレンジしてみるのもお勧めです。

 

 

 

 

ご質問をいただきました。

 

「ふとん綿はニードルフェルトの材料として使えるの?」

 

 

 

ふむふむ。

では、まずは原理を確認しましょう。

 

ネット検索するとニードルフェルトの原理として「キューティクル云々」と書いているページもあるのですが、正直ニードルフェルトにキューティクルは関係ないだろうと思います。(キューティクルを繊維と同義にしているような表記もありました。こうして誤解曲解ががが)(キューティクルが関係してくるのは石鹸水フェルトですね)

 

ニードルフェルトというのは、特殊な針を繊維の束に突っ込む→針の先に刻んである「かえし」にごく少量の繊維がひっかかり、他の繊維と繊維の間に絡ませて(潜り込ませて)いく→突いて絡ませ続けた結果、繊維の束が固まる、という手法です。

 

なので、ポイントは「その繊維はかえしにひっかかる太さか」「潜り込ませたときに、他の繊維に絡まってとれないくらいの長さがあるか」です。

 

綿の繊維は羊毛と比べて細くて短いです。

かえしには引っかかりますが、繊維長が短いので他の繊維の間に潜り込んでもすぐに引き抜ける、はずです。

 

 

 

理屈ではわかっていても、とりあえずは実践(実験)も必要です。

 

 

太いニードル:そもそもふとん綿に刺さりません…。(正直これは想定外)

綿の繊維は羊毛と比べて短い&細い。そのためカード済の綿シートは羊毛シートに比べて「密度が高い」のです。

太い縫い針を例にすると、目の粗い生地には刺す(通す)ことができますが、目の詰まった生地には通らない、これと同じことですね。

 

 

細いニードル:羊毛ほどさっくりとはいかないものの刺さりますし、突くことで繊維は多少絡み合います。

 

が、羊毛と比べて綿は繊維長が短いので簡単にはがせます。絡み(潜り込み)が浅いのです。

ひたすらに突き続ければ層がはがれないくらいまで一体化はさせられるでしょうが、他の部分も綿である限りは所詮繊維長1cm弱、手で千切れます。

 

 

 


 

上下の層の間に渡って(縦方向に引き攣れて)いるのが、「かえし」にひっかかって下へもぐりこんだ繊維です。

綿の繊維は1cmないので、簡単にはがせます。(ちなみに羊毛は繊維長5〜7cmくらいあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

結論:

どうしてもコットンでやりたい!という強い意志があるなら無理に引き止めるつもりはありませんが、正直その労力は別な部分へ振り分けた方が建設的だと思います。

 

 

 

備考:

100均で売っている化繊綿を芯に使う方もいらっしゃるみたいですね。

羊毛と同じくらいの太さ長さの繊維であれば、ニードルフェルトの材料にはなるだろう、と思います。(石鹸水フェルトは無理ですが)

 

 

どなたかの参考にでもなれば幸いです。

 

生存報告を……少し……

 

無事秋の大祭(東京スピニングパーティ・笑)も終わり、

引き続き10月の湘南クラフトMarche

11月のHandmade MAKERS’デザインフェスタ Vol.44

準備に勤しんでおります。

 

準備をしつつも、新しく仕入れたテクニックは試してみたくなるもの。

ドラムカーダーからローラッグを作るヒントをゲットしたので、

さっそく紡毛糸(ウールンヤーン)を紡いでみました。(右側、青の毛糸)

左は梳毛糸(ウーステッドヤーン)。


 

素材はどちらもメリノ60s。梳毛と紡毛の「らしさ」がとてもよくでたなあ、と思います。

 

紡毛糸はピント合ってない感じに写ってますが、

ピント云々以前に毛糸が毛羽立ちすぎているだけなので…!(いや、ピントも合ってないかもなんですが…)

 

個人的には梳毛のてらりとした艶、色味がぼやけず出るあたりが好きなんですが、紡毛糸のぬくさと紡いでいるときの「伸びま〜す! 種も仕掛けもございませーん!」な感じも捨てがたし…。

 

 

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